育児休業給付10割?
2023/11/15
厚労省が育児給付の引き上げを検討しているというニュースがありました。
現在実質8割(67%だけど社会保険料免除を勘案するとという趣旨)の育児休業給付を 両親が育休を取得することを条件に実質10割にするとのこと。 NHKのサイトのリンクを貼ります。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231113/k10014256131000.html
リンク先によると男性が育児休暇を取らなかった理由は以下の通りです。
▽「収入を減らしたくなかった」が最も多い39.9%。
▽「職場が育休を取得しづらい雰囲気だった」または、
「会社や上司、職場の育児休業取得への理解がなかったから」が22.5%、
▽「自分にしかできない仕事や担当している仕事がある」が22%、
▽「残業が多いなど業務が繁忙であった」が21.9%などとなっています。
これを読んで私は「6割の人は収入以外の理由で取らなかった」と解釈しました。
数日の有給休暇を取るのですら、色々段取りをして、引継ぎをして休むのに
理由はどうあれ、2週間も休むのであれば同僚に負担が掛かるのは当然で 回りに気を遣って二の足を踏むのも当然です。
収入に関係なく育児休暇を取らない人が6割もいれば、
給付率を上げても 取得率を押し上げる効果は限定的でしょう。
コネがないので正式に厚労省に提案する機会がないのですが、
会社側に一定程度の給付をすることが必要ではないかと思います。
休業中の社員のカバーをするために負担が掛かるし、残業も発生します。
この残業に掛かる残業代は全額会社負担です。
そうなると会社は「あいつのせいで利益が減った」、
同僚も「俺たちはあいつのカバーをするために今まで以上に働いているのに
あいつは今までと同じ給料を貰って休んでいてズルい」と
多方向から育休をとった社員にヘイトが向くことになります。
同僚からのヘイトについてはコロナの際、小学校の学級閉鎖等で子供の世話をする親が休んだ際に
有給休暇同様に賃金が全額給付されるという小学校休業等対応助成金で実際にありましたが、 構図は同じです。
会社にも残業代と同僚へのいくらかの手当に相当する給付をすると
育児休業に寛容な社風の会社が増えるのではないかと思うのですが
いかがでしょう?
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